神経眼科疾患
神経眼科疾患について
眼科における疾患は、眼球のみの疾患だけではなく中枢を含めた全身の疾患と密接に関係があります。脳などの中枢神経系の疾患や様々な全身疾患の症状がまず眼にあらわれることも多くあります。 視力障害(ものが見にくい)や視野障害(見える範囲が狭い)などの視覚系障害、複視(物が2つにみえる)を含む眼球運動障害、眼瞼下垂や眼瞼痙攣などの眼瞼疾患や瞳孔の障害などにおいて眼科的検査をすすめながら診断および治療をおこなっていく分野が神経眼科です。 原因不明の視力障害などの原因が全身疾患に関係がある場合もあります。
また複視の原因が重症筋無力症、甲状腺眼症、脳腫瘍や神経麻痺など、眼球以外に原因がある場合も、眼にしか障害がでない場合も多く、その診断における神経眼科医の役割は大きいと思われます。
適切な診断を行うことができれば、その原因疾患の治療科となる脳外科、神経内科および内科と連携し、治療を行うことになります。
(他科での治療が必要の際には、最適な施設をご紹介させて頂いています。)
複視(ものが二重にみえること)
物が2つにみえる症状を複視と言います。片眼でも(片方の眼を隠して)、2つ以上に見える場合は、近視、遠視や乱視などの屈折異常や白内障などで生じます。このような場合は、まずはきちんと眼鏡やコンタクトレンズで矯正する必要があります。片眼づつでは、1つにみえるのに、両眼では2つにみえる状態は主に神経眼科的な疾患です。危険な頭の病気や全身疾患が関与する可能性がありますので、早めに眼科(できれば神経眼科医)を受診することをお勧めします。
眼瞼痙攣
簡単に言えば、「まぶたがピクピク痙攣する病気」ですが、実はこのような主訴(訴え、困っていること)で、眼科を受診される方は、そう多くありません。「まぶしくて、目をあけていられない」、「目をとじていたほうが楽」、「自然と目が閉じてくる」といったような症状でお困りの方が多いように思います。初期の段階では、このような症状だけで、肉眼的にはまぶたの痙攣が確認できないことがあります。そのために、ドライアイや眼性疲労、気のせい?などと診断されることも多いようです。症状が重症になってくると、実際に目をうまくあけることができなくなることがあり、歩行中に物にぶつかったりすることもあります。
原因と治療
原因は、解明されていませんが、大脳(頭)の異常とされています。原因が、完全に解明されれば、根本的な治療方法が開発されると思いますが、残念ながら、現在のところ根本的な治療方法はありません。対症療法としては目の細かい筋肉の痙攣(ピクピク)を止めるボトックス注射が、症状の軽減に効果をあげています。
しかし根治療法ではないので、通常は3〜4か月程度で、薬の効果がなくなります。効果がなくなれば、再びボトックス注射を行う必要があります。
また、抗不安薬や睡眠薬として用いられているベンゾジアゼピン系の副作用で「薬剤性眼瞼痙攣」が起こる場合もあります。
- おおくぼ眼科クリニック 営業時間
- 午前 9:00~12:00
(土曜日は〜13:00)
午後 14:30~18:00
休診日 日曜・祝日
- おおくぼ眼科クリニック
- 〒920-0811
住所 金沢市小坂町西97番11
(IR東金沢駅近く)
電話 076-251-2112